切らない包茎手術とは｜MSクリニック新宿・横浜・大宮・名古屋・大阪

切らない包茎手術で包茎は治る？

包茎手術を検討されている患者さまでネットやSNSで「切らない包茎手術」というものを見たことがあると思います。
切らないで包茎手術が可能で費用も「数千円」と安く設定しているため、選択肢として「切らない包茎手術」を検討される方も多いと思います。

結論から申し上げますと
包茎は切らなければ治りません。

「切らない包茎手術」は、一時的に仮止めをしているだけで「包茎が完治しない」理由から、当院でも行っておりません。
では、なぜ「切らないで行う包茎手術」が存在するのか？
ここでは「切らない包茎手術」の方法や特徴などについて、総院長の葉山が解説します。

切らない包茎手術について❶

切らない包茎手術が存在する理由

多くの場合、『囮広告（おとりこうこく）』と呼ばれる“「数千円」の低額の治療費用で患者さまを集めて高額な費用の手術を受けさせる”ことが目的の『広告』であり、「切らない包茎手術」のデメリットが多いことで、逆に“高額な手術をセールスしやすい”状況が生まれるために存在しています。
この様なクリニックでは自称「カウンセラー」が治療内容の説明を行い、治療内容を決定する傾向にあります。また、「カウンセラー」は医療関係の資格を持っていない無資格者であることがほとんどで、実態は「セールスマン」です。
悪質なケースでは医師の診察なしに「カウンセラー」が治療内容を決めてしまう事例も報告されています。これは医師法に違反しており、法律すら守らないクリニックと言えるでしょう。

切らない包茎手術は受けられない？

切らない包茎手術を希望したのに…

実際に当院にご来院された患者さまで『切らない包茎手術が気になり、そのクリニックに行ったが自分は「切らない包茎手術」は出来ないため高額な「切る包茎手術」を勧められた。不安になってその日に受けるのを止めて、こっちに来た。』といった趣旨のお話しをされる方が増えています。
その患者さまが「切らない包茎手術」を希望した理由は「費用が数千円と安かった」からとのことでしたが、実際問題として広告等で「切らない包茎手術」で低価格で包茎が治るように引き付けて、実際には高額な「切る包茎手術」や「必要のないオプション」を勧められるなど、さまざまな問題が報告されています。

▼情報出所
美容医療の基礎知識：ボッタクリ商法に気をつけて!

一部のクリニックでは余った包皮を陰茎の根元付近に引き寄せて、手術用の糸で固定する手術を「切らない包茎手術」と呼んでいますが、こちらは最後に解説いたします。

切らない包茎手術について❷

切らない包茎手術の費用が安い理由

切らない包茎手術が「数千円」と治療費用が安い理由は「完治」しないからです。
切らない包茎手術の方法は余剰包皮の量を測定し、その量に応じて余剰包皮を陰茎の根本にたぐり寄せて「仮止め」して、亀頭の露出を促します。余剰包皮を切除して縫合する「包茎手術」と比べて、時間も手間も圧倒的にかからないため、費用は安く抑えられます。

包茎手術に限ったことではありませんが、どんな治療でも「手術」をするということは「完治」させるために用いる医療技術や手術の時間を要するため、費用は高くなります。

切らない包茎手術の仕組み

切らない包茎手術の特徴

・費用は数千円と安い設定
・一時的に改善されるが直ぐに元に戻る
・傷跡は残らない（接着の場合）
・包茎に戻るたびに行う必要がある
・軽度の仮性包茎のみ対応
・施術時間は短め
・自然な見た目にならない
・性行為中に仮止めが取れる場合がある
・皮膚をたぐり寄せている突っ張り感がある
・仮止めによる違和感がある
・たぐり寄せた皮膚と皮膚の間に汚れが溜まる
・かぶれや皮膚炎などの皮膚トラブルがある

「切らない包茎手術」は「包茎が治らない」のが最大の特徴であり、当院ではおすすめしていません。もちろん当院の包茎手術のメニューにも「切らない包茎手術」はございません。

切る包茎手術と
切らない包茎手術の比較表

	切る包茎手術	切らない包茎手術
施術時間	約40〜60分	約10分
術跡	縫合の痕が残る	接着の場合は無い
制限	3〜4週間	なし
効果	完治する	元に戻る
対応	全ての包茎の症状に対応	軽度の仮性包茎のみに対応

※「切らない包茎手術」は、軽度の仮性包茎でも余剰包皮の量や厚みによっては対応できないケースもあり

①施術時間

切らない包茎手術は余剰包皮の切除・縫合を行わず「仮止め」のため、短い時間で終わります。

②手術跡（傷痕）

切る包茎手術では、余剰包皮を切除して縫合するため手術跡は残りますが、目立たなくさせる方法はあります。一方の「切らない包茎手術」は余剰包皮をペニスの根元（腹側）にたぐり寄せて仮止めするため、跡はありません。

③施術後の制限

感染症のリスク等も考慮して、術後の入浴や運動、性行為の制限数週間あります。「切らない包茎手術」はありません。

④包茎改善の効果

切らない包茎手術は、余剰包皮をペニスの根元にたぐりり寄せて接着剤等で仮止めして維持するため、固定している用材が取れれば、元の包皮が被った状態に戻ってしまいます。
切る包茎手術では余剰包皮を切除して縫合するため、根本的に包茎が改善します。元に戻ることはなく、完治後に刺激を加えても問題ありません。

⑤対応可能な包茎の症状

「切らない包茎手術」は余剰包皮を剥いてペニスを根元にたぐり寄せて仮止めできる状態のみ、対応できるという前提があります。そのため軽度の仮性包茎以外は行えません。また仮性包茎でも包皮の余りや厚みの程度によっては難しい場合もあります。
一方、切る包茎手術は、仮性包茎、真性包茎、カントン包茎のすべての包茎のタイプに対応できます。

包茎手術（切る包茎手術）について

切らない包茎手術について❸

切らない包茎手術がおすすめな人

包茎が治らない「切らない包茎手術」は当院ではおすすめできませんが、それでも「切らない包茎手術」に向いている人をあえてお伝えするのであれば　『絶対に皮を切りたくない』方のみだと断言できます。
「一時的で良いから包茎を改善したい」「包茎が改善したイメージを持つために試してみたい」「余剰包皮を切除して縫合する包茎手術に踏み切る為に試す」という方は「切らない包茎手術」を行なっても良いかもしれませんが、果たしてそれが必要かは疑問が生じます。
当院の治療メニューで「切らない包茎手術」を設けないのは「完治」することが無いからです。包茎を治すのは一生に一度であり、試しに包茎を改善させるものでも、何度も行うものでもありません。

それでも「費用が安いから」「切らないで済むから」「短時間で終わるから」など「切らない包茎手術」を魅力的に捉えて検討されるのであれば切らない包茎手術では包茎が「完治」することがない、ということを念頭に入れていただければと当院は考えます。

手術費用のみでクリニックを選んだ場合、ご自身が納得できる仕上がりにならず後悔するケースも多くありますので、手術・治療の前にご自身の希望する内容としっかり合致するか確認して、慎重に見極めることをお勧めします。

切らない包茎手術について❹

糸で固定しても元に戻る可能性がある

糸で固定する切らない包茎手術

糸で固定する方法は、接着剤などで仮止めする「切らないで包茎を一時的に改善させる方法」とは異なり、麻酔を行った上で余った包皮を陰茎の根元付近に引き寄せて、手術用の糸で固定します。手術用の糸で手繰り寄せた包皮を貫通させて固定する方法と、包皮の真皮部分を引っ掛けて手繰り寄せ、糸の結び目を皮膚の下に埋め込む『埋没法』があります。貫通させる方法は、糸を介してばい菌が侵入し感染するリスクが高いため、吸収糸（溶ける糸）を使用することが多く、糸が溶けると元に戻ってしまいます。一方、埋没法では糸は包皮の外に露出しないため、感染リスクは低くなります。
貫通させる方法は「糸が溶けるまでに手繰り寄せた状態で包皮に“癖付く”」といったセールストークで売り込んでいる様ですが、“癖付く”ことはありません。

埋没法と通常の“切る”包茎手術の関係は二重手術の「埋没法」と「切開法」の関係に似ており、埋没法だと、糸が取れることで元に戻るリスクがあります。また、包茎手術の根部切除法の時にも起こる事象ですが、陰茎の根部に包皮を手繰り寄せて固定すると、勃起時にちょうど良い包皮の長さですが、勃起していない通常時の包皮の被り具合が手術前とさほど変わらない事態になることがよくあります。余った包皮を除去すると確かに包皮の長さは短くなるのですが、包皮は通常時には蛇腹状に縮んでおり、余剰包皮を切除しても手術後に蛇腹の部分が少し延ばされた程度で、被り具合はさほど変わらない事態になります。これと同じことが埋没法でも起こります。

「埋没法」による「切らない包茎手術」はテープや接着剤で固定する方法とは比べ物にならないほど固定力は優れていますが、例えば性行為などで引っ張られたりすると真皮から糸が外れて効果がなくなることがあるため、恒久的な治療とは言えません。